精神科OTのブログ(仮)

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精神科の作業療法士が知見や考えをシェアしています。

心理教育は統合失調症の服薬アドヒアランスを改善するか

 

統合失調症の臨床において最大級の関心事といえるのが服薬アドヒアランスです。

 

その改善のために病気の理解を促す心理教育を患者さんに向けて積極的に行うことが必要だと考えられています。

 

おそらく精神分裂病から統合失調症への病名変更や非定型抗精神病薬(この言葉も使わなくなった)の台頭があった頃から盛んになった取り組みなのではないかと推測しています。

ここで言う心理教育が何をすることなのか、理解の幅が広いのですが、多くの場合は専門家によるレクチャーを通して、患者さんに服薬の必要性を理解させる取り組みだと捉えられています。

 

そのようなアプローチによって患者さんの服薬アドヒアランスは本当に改善しているのでしょうか。

 

私自身、そのような疑問を持つことなく、根拠を参照することもなく、当たり前のように心理教育プログラムを運用していた時期が長くありました。

 

2000年代初頭、いくつかのレビューが、心理教育的アプローチは統合失調症の服薬アドヒアランスを改善しないと結論しています。

 

次回以降の記事で引用し、シェアしていければと思います。