精神科OTのブログ(仮)

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精神科の作業療法士が知見や考えをシェアしています。

子育てと認知行動療法

今日は長女の耳鼻科受診の日でした。

 

うちの長女は滲出性中耳炎という病気を繰り返していて、今まで3回も入院手術をしています。

 

ちょうど去年の今頃はまだ4歳。鼓膜の状態が悪くて外来でティンパノメトリーという検査をしなければいけませんでした。耳にアタッチメントを挿入して、鼓膜に圧力をかけ、鼓膜の張り具合をみる検査です。

 

当然、恐がって嫌がって一度は中止になり、次回の受診でもう一度チャレンジということに。次回はなんとか検査を受けさせなければいけません。

 

当時、長女はイルカのおもちゃが好きだったので、「お耳の先生の機械でイルカの鳴き声が聞こえるよ」と吹き込み、まずは認知再構成を行いました。

 

次回受診日が近づいた頃、自宅で検査器具と似たようなシリコン製の部品を使い、まずは私が耳に挿入して見せ(モデリング)、次に長女にさせてみて(エクスポージャー)、事前練習を行いました。

 

受診当日はイルカのおもちゃを忘れずに持たせ(拮抗条件付け)、いざ検査へ。

 

恐さよりもむしろワクワクした様子で検査を受けることができました。

 

認知的技法と行動的技法の組み合わせが有効だったと考えています。

 

Beck認知療法に代表されるような認知的技法は一時の隆盛を見せましたが、実際にどの程度効果があるものなのか、私にはよくわかりません。

 

集団で行う認知行動療法のグループを運営した経験がありますが、その中でも繰り返し認知再構成の演習を行います。ただ、そのスキルを使って患者さんが良くなっていくな、という実感を持ったことはありません。

 

認知療法であの患者さん良くなったよね~、みたいな話も正直聞いたことないです。

 

もっとも、現在は認知再構成法のように認知の内容を変えることよりも、その影響力をコントロールしようというアプローチ(第三世代CBT)が流行しているわけですが。

 

でも子供には使えるし、保育園の先生もみんなやってますよね、認知再構成。