薬どのくらい余ってますか?
精神科では患者さんが薬を飲まなくなって再発するケースが多いので、スタッフは患者さんがちゃんと薬を飲んでいるかどうか確認することがあります。
1つはそれとなく確認する方法です。
昼薬がある人はデイケアで薬を飲めているか観察することがあります。
でも滅多に無いか、昼に主剤を飲んでいる人が少ないですしね。
でも、私もデイケアのごみ箱を漁って、捨てられたPTPシートを確認した経験はあります。患者さんの精神状態が不安定な時に、「ああ、飲んでても具合悪いんだな」という確認ができました。
訪問看護などアウトリーチのスタッフにとってはこの服薬確認が重要な任務というか、求められる部分だったりします。
普段から薬の残数確認をすることがルーチンになっている患者さんはいいのですが、あまり見せたがらない患者さんもいるようです。
それで「薬飲めてますか?」などと口頭でたずねるわけですが、答えは普通「はい、飲めてます」なので、本当に飲めているかどうか結局わからないということが起こります。「本当に飲んでますか?」って聞くわけにもいかないでしょうしね。
とある機会に、どこぞの病院のアウトリーチを担当するお医者さんが言っていた聞き方はこうだそうです。
「薬どのくらい余ってますか?」
これは、なるほど。
そもそも処方通りにキチンと服薬している患者さんのほうが少ないと言われていますし、拒薬せずとも飲み忘れることは普通ですから、それを前提にして正直に言ってもらう確率を上げる作戦ですね。
この言い方、私も使ってみたことがあります。その患者さんは一瞬「???」ってなってましたが、薬の確認をさせてくれました。
私が考えた変形バージョンは
「薬はどれくらい飲み忘れる?」
これもけっこういいと思いませんか?
拒薬という感じは無いけど、服薬管理は雑そうな患者さんにはいいかなと。
とはいえ、このような聞き方が最適解とは思っていません。
使いますけど、良い方法というわけでもないです。
なんだかやっぱり患者さんに鎌をかけるというか、誠実じゃない感じはしますよね。
「飲んでる?」って普通に聞いても正直に話して大丈夫っていう、そういう信頼関係があることが理想ではありますね。