精神科OTのブログ(仮)

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尺度化の質問

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先日、職場での動機づけ面接勉強会がありました。

 

内容は「引き出す質問」と「リアルプレイ」。

 

引き出す質問とはチェンジトーク(特定の行動変容に向かう発言)しか答えられない質問のことです。

 

引き出す質問→聞き返し→聞き返し→引き出す質問→聞き返し→聞き返し

 

のペースで話を進めていけば、だいたい動機づけ面接になります。

 

(リアルプレイというのは面接者役と相談者役に分かれるけれども、相談者役は自分自身のことを本当に相談するというものです。)

 

引き出す質問の形はいろいろあるけれど、「尺度化の質問」についてはちょっとだけ細かく検討しました。

 

尺度化の質問は、作業療法の領域で言うとCOPMとかがまさにそうです。精神科領域では全般的な体調、幻聴の程度、気分、不安、薬の飲み心地などいろいろなテーマを尺度化でたずねることがあります。

行動変容の重要度に関するものなら「あなたにとって〇〇することはどれくらい重要ですか?、全く重要でないが0、超~重要が10だとしたら?」のような形となります。

 

例えば、クライエントの答えが「7」だとしたら、その後どう話題を展開すればよいでしょう?

 

正しい答えはありませんが、動機づけ面接の原理から言ってやってはいけないのは、「どうして8や9じゃないんですか?」と高い方と比較して理由を尋ねることです。

 

クライエントの答えは行動変容しない理由になるからです。

 

尺度化の質問をするならセットでやった方がいいのは、「どうして5や6ではなく7なんですか?」と低い方と比較して理由を尋ねることです。

 

クライエントの答えは行動変容したほうがいい理由(チェンジトーク)になるからです。

 

行動変容の自信度について「あなたにとって〇〇することの自信はどれくらいありますか?、全くないが0、めっちゃあるが10だとしたら?」とたずねる場合もあります。

 

この場合、低い方と比較して理由を尋ねるのはもちろん、「7から7.5とか8とかにアップするには、どんな方法や助けがあるといいでしょう?」と尋ねることが有効になってきます。

 

うまくいけばクライエントなりのスモールステップのアイデアが語られます。