心理教育のコツ~聞き返し~
Adherence Therapyより
INTERPERSONAL SKILLS
- Use the patient's words
- Open ended questions
- Reflective listening
- Summarising
- Elicit and respond to feedback
今日はReflective listeningについて。
これは、受容的共感的な傾聴のスキルに直結するわけですが、様々に説明されています。
来談者中心療法→反映的傾聴
LEAP→理解して返す傾聴
動機づけ面接→聞き返し
どれも基本的には同じものと考えて良いでしょう。対人援助職のコミュニケーションにとって中核となるスキルと言えます。
動機づけ面接における聞き返しについて簡単に説明すると・・・
聞き返しとは、
a.相手に自分が理解した内容を伝え返すこと
b.単純な聞き返しと複雑な聞き返しがある
では、単純な聞き返しとは、
- オウム返し
- 相手が用いた言葉と同じか、ほぼ同じ言葉を繰り返す
- 対話を持続し、安定させる効果がある
- 何と返せばいいかわからない時にも役立つ
例:Pt「薬は飲みたくありません」
Th「飲みたくないんですね」
では、複雑な聞き返しとは、
- 相手の発言の奥にあるものへの聞き返し
- 相手の状況、行動、感情などを推測して伝え返す
- 推測が当たっていなくても問題無い
- 相手の自己理解を深める効果もある
例:Pt「薬は飲みたくありません」
Th「薬が嫌いなんですね」「効果を感じないということ」
「薬から、お前は病人だって言われているようだと」
文献:北田雅子著 逆引きMI学習帳 医歯薬出版
Adherence Therapyのマニュアルによれば「オープンクエスチョンの後に特に役立つもので、治療者は患者が言ったことの特定の側面を強調することができる。聞き返しを使用して服薬に関する肯定的な側面を強化することが特に重要。」としています。
聞き返しは患者さんが言っていることを理解して伝え返すことですが、何を返すかはこちらが決めることができます。患者さんが言っていることの中に、薬に対して否定的な側面と肯定的な側面が混ざっているならば、肯定的な側面を選択的に聞き返すことで、話題の方向をコントロールすることができます。
言うは易し、行うは難し。
聞き返しのスキルを磨くには、かなり練習が必要です。