精神科OTのブログ(仮)

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精神科の作業療法士が知見や考えをシェアしています。

集団で行う心理教育

多くの医療機関で行われるいわゆる心理教育というアプローチは集団を用いて行われるケースが多いでしょう。

 

ヤーロムが集団精神療法の治療因子を11個示していますが、これはたぶん、べつに根拠があるわけじゃないんだと思います。でも、「まあ、確かにそうなのかな」と思えますよね。

 

コストパフォーマンスに優れているし、患者さん同士の相互作用があり、なんといっても治療者のねらいは病気のノーマライズや希望をもたらすことでしょう。

 

昨年はオンラインで行われたMINT(Motivational Interviewing Network of Trainers

)のTNT(Training New Trainers)では、心理教育と動機づけ面接の統合について話題になったと参加した仲間から聞きました。

 

動機づけ面接と心理教育の相性については賛否あるようです。心理教育をどう定義するかにもよると思いますが。

 

グループで行う場合、患者さん同士が互いに肯定的な態度で積極的に話し合うようなグループ(リレーテッドネスモデルというらしい)が理想的ではあるけれど、短期のグループでは、現実的には難しいでしょう。

 

一方、治療者と患者さん一人ひとりのやり取りを連続する形(ハブアンドスポークモデルというらしい)であったとしても、そのやり取りをただ聞いているだけでも治療的な要素はあるのではないか、という話のようです。

 

これは以前から私もそう思っていました。治療者と患者さんとのやりとりだけでなく、他の患者さん同士が話しているのを横で黙って聞いているだけでも良さそうです。

 

集団心理教育への参加を促す場合、ただ黙って聞いているだけでも良いと保証することは大事かなと思います。