自律性を尊重することの難しさ
今日は拒薬する患者さんのケース検討を行いました。
印象に残ったのは患者さんの自律性を尊重することの難しさです。
・患者さんに起こっていることを精神障害に帰結するかしないか。
・入院中はともかく退院後に実際に薬を飲むか飲まないか。
どうするかは患者さんが決めることだという揺るぎない事実があります。
もちろん、患者さんの考えに影響を及ぼす方法はあるにせよ、最終的に決めるのは患者さんでしかない、我々専門家が代わりに決めることはできないわけです。
むしろコントロールしようとせず、「最終的にどう考えるかはあなた次第だ」と自律性を尊重することのほうが、綱引きを止め、信頼関係を再構築し、患者さんが自分自身のことを考えることに寄与するでしょう。
ただ、この事実を多くの専門家は受け入れられないのかもしれません。
専門家は、専門性でもって患者さんを良い方向に導くために勉強してきたわけですから、説得せずにはいられない。
私自身、自分が担当する患者さんについては、ついついコントロールしようとしてしまいます。
この背景には、何があるでしょう、患者さんを良い方向に導かねば自分の責任が問われるかもしれないという恐れでしょうか。自分の無力さに直面させられること?
コントロールを手放す、本当に難しいことと感じます。