患者さんからフィードバックを受ける
Adherence Therapyの中核スキルとしてElicit and respond to feedbackを紹介してみました。
これと非常に似ていて、ほとんど同じなのかなと思ったけど、やっぱり微妙に違うものを見つけたので紹介します。
2000年代初頭から、心理療法のコモンファクター研究が進められてきています。
コモンファクター研究とは、いろんな種類の心理療法があるけれど、実際の有効成分って重なるものが多いんじゃないの?同じ○○療法を標榜していても、患者さんをちゃんと治せる上手い治療者もいれば、そうじゃない治療者もいる、その差ってなんですか?
ということに関する研究です。
実証的に効果ありとされるコモンファクターとして、共感性や治療ゴールへのコンセンサス、集団療法における凝集性など、いろいろ挙げられています。
中でも私がよくわからなかったのが、Collecting and delivering client feedbackだったのですが、詳しい人にたずねたところ、セッションそのものに対してクライエントからフィードバックをもらうことで、治療の進め方を適宜修正していくという概念らしいです。
その一つの方法としてRoutine Outcome Monitoring(ROM)というものがあるようです。
ROMと言えば、リハビリ界隈では関節可動域ですけどね。
ROMはセッションの終了時に患者さんに今日のセッションがどうだったかたずねたり、質問紙に記入してもらい、そのフィードバックを次回に活かしていくような取り組みを指すようです。
私の場合、面接が主な援助手段というわけでないので、あまり関係ないかなと思いつつ、セッションを重ねていくタイプの治療に、都度患者さんからの直接のフィードバックを反映させていく取り組みは協働的だし、有効とされる理由はわかるような気がします。
作業療法でも理学療法でも、場面によっては使えるかもしれませんね。
「今日はこんな感じでやらせてもらいましたけど、どうでした?」みたいに聞くだけでもいいかもしれませんね。