教えるだけの心理教育は効果なし
2000年代初頭にいくつかのレビューが心理教育は統合失調症の服薬アドヒアランスを改善しないと示しました。
Dlder(2003)らのInterventions to improve antipsychotic medication adherence: review of recent literatureという論文から抜粋すると、以下のように結論されています。
「純粋に教育的な介入は抗精神病薬の服薬アドヒアランスを向上することはない。良い効果が見込めるのは教育的、行動的、感情的な戦略を組み合わせることである」また、「長期の介入と治療者との同盟関係もまた重要である」とも付け加えられています。
一般的に心理教育と言うと、教育というニュアンスが強く、専門家が患者さんに対して一方的に教え込むというアプローチがとられていることが多いのではないでしょうか。
患者さんの理解が間違っていたり、薬を飲みたくないと言ったりすると、専門家は反射的にをれを訂正しようとします。
患者さんが薬を飲まない背景に、服薬の必要性の理解が欠けている、という原因だけでなく、さまざまなものを想像する必要があるようです。