精神科OTのブログ(仮)

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精神科の作業療法士が知見や考えをシェアしています。

~統合失調症の服薬アドヒアランス改善に動機づけ面接を用いる~

動機づけ面接とは行動変容を支援するためのコミュニケーションスタイルのことです。

 

元はアルコール依存症など領域で開発されましたが、現在ではあらゆるヘルスケアの領域で応用されるようになりました。

 

動機づけ面接とはクライエント側により多く話してもらうようにする面接方法であるとも言えます。

 

望ましい行動変容(例えば酒をやめるとか)のメリットや現状維持(例えば酒を飲み続ける)のデメリットを専門家が教えるのではなくクライエントにたくさん語ってもらえるように方向付けていくのです。

 

統合失調症の患者さんの服薬アドヒアランスにも当然動機づけ面接が応用できるわけです。

 

統合失調症の服薬アドヒアランス改善に動機づけ面接の原理を用いた実践で有名なのがKemp(1998)らによるCompliance Therapyがあり、RCTによって有効性が確認されているプログラムです。

 

Compliance Therapyを元にGray(2004)らが開発したAdherence Therapyはweb上でマニュアルが公開されています。こちらははっきりと効果が確認されているものではありませんが、内容を見る限り、動機づけ面接の原理を取り入れ、患者さんに対する具体的な話し方、聞き方のモデルを示すなど、個人的には有益なものと感じています。