教えるだけの心理教育はなぜ効果が無いか
教える、情報提供するだけの心理教育には、統合失調症の服薬アドヒアランスを向上する効果はないとされています。
それはなぜなのか。
本来は中立であるべき情報提供が、患者さんを良い方向に導きたいという専門家の気持ちによって説得のニュアンスを持つからではないかと私は考えています。
説得の効果が期待できるのは、よほどの信頼関係が成立している場合や、自己決定することが負担な患者さんである場合などです。
説得されても動じないということなら良いのですが、両価性のシーソーの一端に重みづけされると反発したくなるのが多くの人です。
中立の情報提供なら効果0以上、でも説得のニュアンスを持つならマイナスにする可能性がある。
我々専門家は効果を出そうとすることには熱心ですが、自らのアプローチがマイナスになっているかもしれないと疑うことが少ないのではないでしょうか?
この辺りの議論、アルコール依存症の臨床からよく学ぶことができます。
引き続きテーマにしていきたいと思います。
もしかして、この記事自体が説得のニュアンスを帯びている可能性がありますね。
私の考えが正しいとは限りません、どう考えるかは読んだ方が決めることです。