心理教育のコツ~患者さんが話す言葉を使おう~
GrayらのAdherence Therapyは動機づけ面接、認知行動療法、そしてKempらのCompliance Therapyをベースにした、服薬に関する患者さんとのコミュニケーションを構築するためのツールです。
その基盤となるす2つのスキルが面接スキルとプロセススキルであり、さらにマイクロスキルに分解されます。
INTERPERSONAL SKILLS
- Use the patient's words
- Open ended questions
- Reflective listening
- Summarising
- Elicit and respond to feedback
PROCESS SKILLS
- Working collaboratively
- Set a clear agenda
- Emphasise personal choice and responsibility
- Enhanced self-efficacy
- Build self-esteem
- Safety
今日はUse the patient's wordsについて。
患者さんの言葉を使おう、ということですが、要するにこちらの説明を患者さんが理解していると決めつけない。専門用語や業界用語を使わず、患者さんにとってわかりやすい言葉を使おう、ということです。
当たり前のことではありますね。
ただ、私はここに自分なりの解釈を付け加えています。あくまで私個人のです。
患者さんは自分の体験を自分の言葉で表現するので、その言い方を尊重することも大事だと思います。
例えば、「電磁波」とか「テレパシー」とか「インターネット」とか。おそらく、私たちの言葉では幻聴だと思うんですが、体験しているのはあくまで患者さんですよね。
患者さんが電磁波って言っているならこ電磁波って呼んだ方がいいのではないかと思います。その方が信頼関係が築けると思うからです。
また、「みんなが私をバカにしている」と訴える患者さんに対して、反射的に「そんな風に感じるんですね」などと応答してしまうこともありませんか?私はあります。
これって共感を示しているつもりで、患者さんからすると「わかってくれないな、感じてるんじゃなくて、本当にそうなのに」ということになっていますよね。
近頃、精神科のスタッフはCBTに関する知識、とりわけ認知療法をかじっている方が多くなっています。患者さんの話の中に、不合理な認知を見つけると反射的にそれを修正したくなる、そういう方が増えているかもな、とふと思いました。