教える心理教育は統合失調症の服薬アドヒアランスを改善しない
2000年代初頭、いくつかのレビューが、心理教育的アプローチに統合失調症の服薬アドヒアランスを向上する効果はないと結論付けています。
代表的なものにZygmuntら(2002)によるInterventions to improve medication adherence in schizophrenia.というアメリカンジャーナルの論文があります。
これは欧米だけでなく、広くアジアなどで行われた介入研究も含めて検討されているものです。
ここでは、「行動的要素や支援サービスを欠いた心理教育的介入は統合失調症の服薬アドヒアランスを改善する効果は無い。」と述べた上で、「ACTのような地域支援モデルや動機づけ面接の原理を用いた介入は有望である」としています。
病気の正しい知識や薬の必要性を説いても、患者さんが薬を飲むようになるわけではないということですね。
常識的に、心理教育というアプローチは正しいもの、やったほうがいいもの、と考えられていますが、その根拠は一度疑ってみる価値があると思います。