心理教育のコツ~サマライズ~
Adherence Therapyのマニュアル解説シリーズです。
INTERPERSONAL SKILLS
- Use the patient's words
- Open ended questions
- Reflective listening
- Summarising
- Elicit and respond to feedback
今日はSummarisingについて。
サマライズ、つまり患者さんが言っていることを要約して伝え返すことです。
伝え返すことなので、聞き返しの一種、と言うこともできます。
マニュアルから引用すると、
「患者の話を簡潔に正確に要約することは、患者が話したことを明確にするだけでなく、治療者が患者の話を聞いていることを示すことになる。話題の最後に要約することは特に重要だが、話題の間に定期的に要約することも役立つ場合がある」
簡単に言うと、サマライズすることは「あなたの話をしっかり聞いているよ」というメッセージになり、信頼関係を作る上でも役立つということですね。あなたの話にはしっかり聞く価値がありますよ、という是認でもあります。
サマライズを簡潔にするのは難しく、練習が必要です。感覚としてはリストアップをする意識を持つと良いかと思います。
例えば、
「確認してもいいですか?、お薬のことで気になるのは副作用のことですね、眠気と、それからめまい、あと長期的に薬を飲むことで何か体に悪影響があるんじゃないか心配なんですね、それで合ってますか?、他には?」
どのタイミングでサマライズを入れるとか変に意識する必要は無くて、「ちょっと待って、確認させてくれますか?」という謙虚で率直な気持ちでサマライズすることが良いかと思います。
あるいは話がよくわからなくなってしまった時、「ここまでの話、まとめるとどういうことになりますかね?」と相手にサマライズを委ねる方法も私は好きです。
ちなみに動機づけ面接ではチェンジトークと言って、変化に向かう発言だけを集めてサマライズしたりします。それはさておき、サマライズは傾聴、共感の基本的なスキルであり、聞き返しの一種でもあるということですね。
そもそも共感とは何かということも解説していかなければなりません。