精神科OTのブログ(仮)

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両面の聞き返し

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今日の動機づけ面接(MI)勉強会では「両面の聞き返し」を取り上げました。

 

両面の聞き返しとはクライエントの両価性の両方(維持トークとチェンジトーク)を並列して伝え返すものです。

 

CL:「やめなきゃいけないのはわかってるけど、家に帰ったら飲んでしまうと思う」

Th:「飲んでしまうと思う、一方でやめたいとも思っている」

 

教科書的な注意点は2つ。

 

①維持トークを前半に、チェンジトークを後半に持ってくる。

こうすることでクライエントが続けてチェンジトークを話す確率を高めます。

 

②接続詞は「でも」「だけど」などの逆接ではなく、「一方で」などを使う。

MIはクライエントの両価性の一方に加担しないようにしながら、クライエント自身の自己動機づけを促進する方法です。

「でも」を使うと、チェンジトークだけに加担することになってしまいます。

 

私は「一方で」一辺倒なのですが、「一方で」以外の接続詞にどんなものがあるかみんなで考えてみました。

 

教科書的には「そして」「それから」、なども載っているのですが、実際に使ってみるとけっこう変な感じで使いにくいんですよね。

 

そんな中、参加者の先輩がひらめいたのが「と同時に」なんですよ!

おお~、そんな手があったか~、ちょっと勝手に公開しちゃっていいのかな?っていうくらいナイスアイディアだな、もらっちゃお、使ってみちゃお。

 

MIの初心者では、維持トークを無視するのがなかなか難しい方がいますが、両面の聞き返しは文字通り両面の気持ちに寄り添っている感じがあって、受け入れやすいと思います。

 

と同時に、チェンジトークの印象を強め、変化へと会話をしっかりと方向付ける役割も果たしますから、維持トークへの応答の常とう手段として身につけておきたいですね。